標高1300メートルのところにある娘が通う保育園では「森のじかん」というのがあって、子どもたちは保育園に隣接している森で多くの時間を過ごしています。
2歳半の娘からは、まだ細かな話を聞くことはできませんが、先生がその日にあったできごとを書いて知らせてくださる連絡帳には、イチゴジャムサンドをつくって森へもっていきみんなで食べたこと。
木立に吊るしたハンモックにのってゆらゆら揺らせて遊んだり、沢で水遊びをしたこと。
野生の鹿に遭遇した!なんてことが、たくさん記されています。
おまけに、シロツメグサでつくった花冠、松ぼっくりやトチノミ、鹿のフンまでも、森で出合った宝ものを大切に持ち帰ってきます。
子どもたちは、森というやすらかな存在に守られながら育っているのです。
八ヶ岳山麓に移り住んで半年が経ちました。
あたらしい暮らしの中で、少しの時間を見つけては森を歩いています。
森に足を踏みいれたら一瞬ひんやりとして、そこから空気が変わります。
晴れていれば、そよぐ風に揺れる木漏れ日につられて足どりも軽く、また小雨降る霧がかかったときに歩くのもいいもので、草木や苔、石ころや岩の水水しさに、わたしも潤っていくようです。
木々でできた繭のような森に包まれていると、わたしの中に静けさが訪れます。
そんな森で過ごす時間は、自身に静寂を取り戻す機織りとどこか似ていて、草木で染めることも含め、相性が良いのです。
染めと織りにも繋がる「森のじかん」は、子どもたちと同じようにわたしも育んでくれます。
2014年9月20日 | Posted in 綴る |