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三色

sansiki
三歳となった娘の七五三に「三色(さんしき)」という反物を織りました。
茜、紫根、臭木の三種類の植物で染めた三色に、三の倍数を糸の本数にした格子柄と三の数字にちょっとこだわってみたものです。

国産の良質な絹糸を残そうと尽力なさっている 群馬県・前橋で「創作きもの にしお」を営む 西尾さんに仕立てをお願いしました。

そして、「山猫写真館」の山本尚明さんに撮影していただきました。
三歳児の七五三の撮影はこんなにも大変なのか……というのが率直な感想ですが、動きまわったりぐずる娘がまるでポーズをとったかのような瞬間をとらえるのはさすがです。

今回は娘と同じ布でわたしの帯も仕立て、お揃いのコーディネートを楽しみました。
きものや被布は子どもが成長して着れなくなってしまいますが、帯であれば、お母さんだけでなく娘さんが大きくなっても、七五三の記念の帯として締めていただくことができます。
そんなご提案もさせていただければと思います。

……と、ここまですまし顔で書いていましたが、「ふぅ、なんとか間に合った」というのが正直なところです。
スケジュールに組みこんでプライベートなものを織るのは心苦しいですが、わたしが娘にしてあげられることとして、節目の晴れ着はやはり作ってあげたいのです。

そんな思いを汲みとってかどうかはわかりませんが、「◯◯(娘の名前)がおおきくなったら ままのきもの つくってあげるね!」と娘が言ってくれました。うーん、泣きそうです。
「ぴんくで はーとと りぼんが かいてあるの」
ん、ピンク?ハートにリボン??
中年期から老年期に差しかかろうというわたしが、ハートやリボンが描かれたピンク色の着物を……
それは想像しないでおきましょう。

2015年12月1日 | Posted in 綴る |