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種を蒔くこと

昨年わが家の畑に植えた藍から採った 殻付きの種。
両手のひらに挟んでスリスリとこすれば、黒ごまのような種があらわれます。

少し出遅れてしまったものの、なんとか5月中に一年草である藍の種蒔きができました。
10日ほど静まり返った育苗ポットから愛らしい1本の芽が顔を出すと、次から次へと芽が出てきました。
秋から冬にかけて土の中で眠る多年草が 春になり新芽が出てくるのも嬉しいけれど、自ら育て採った藍の種が発芽する様は、なんとも言えないよろこびでした。
また、生命力を信じて見守る多年草と 収穫した種を人の手で土に戻す一年草では、関わり方が違います。
ちょっと大袈裟だけれども、一年草の種を蒔くことは 1から引き受ける覚悟が必要でした。
それでも育てようと思ったのは、やはり藍が魅力的だからです。

藍を育苗ポットから植え替えるために 畑を耕しに行くと、ポツポツと不規則に藍の芽が出ているではありませんか。こぼれ種から発芽していたのです。
そんな自然の賜物もまた嬉しく思います。

ふたたび藍を大きく育てることができれば、生葉で昨年染めた糸やストールに染め重ねてみるつもりです。
山麓に暮らしてから季節の循環をより感じるようになると、すぐの成果にとらわれず、寝かせておいた昨年の色(糸)に 色を重ねてみる楽しみも見出せるようになりました。

2018年6月1日 | Posted in 綴る |