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益子・土祭へ


久しぶりに家族とともに栃木県益子町を訪れました。
目的はいま開催されている土祭(ひじさい)に、そのなかでも山本八幡宮で展示されている、友人のご主人である橋本雅也さんの作品を拝見するためです。

まだ会期中なので詳細は控えますが、作品「風紋/水鏡」は、雅也さんが取材のため栃木の山を歩いていた際に、沢の水は枯れ岩の窪みに少量の水溜まっているだけだった、辺りが暗くなるにつれ僅かな水が空の光をうつし出し、水は空を映す鏡であった-という体感が、より具体的に制作へ繋がっていったといいます。

わたしたちが山本八幡宮に着いた時に、ちょうどいらした地元の方によると、八幡宮のご神体は「無くなってしまった」という「鏡」なのだそうです。
また、入り口付近にある手水鉢は、手や口を漱ぎ清めるのではなく、そこに張られた水に自身を映して清めるために置かれているのだとか。

それらのお話、雅也さんは山を歩いていた取材時にはご存知なかったといいます。
このご縁は、やはり「鏡」が持つ力に導かれたのでしょうか。

微かな朝の光差す八幡宮の中に置かれた雅也さんの作品を覗くと、そこには我が身も映ってしまいます。
作品をもっと見たいと近づけば近づくほど自身が映ってしまうアンバランスさ。
しかし神社を後にし、すーっと自身が清められたような感覚になったのは、その土地と雅也さんが引き合わされた賜物からなのでしょう。

参考文献 『土祭2018 』(オフィシャルガイドブック)/土祭事務局

2018年9月23日 | Posted in 綴る |